スポンサーサイト

--年--月--日
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

[電撃文庫]雨の日のアイリス/松山 剛

2011年11月27日
雨の日のアイリス (電撃文庫)雨の日のアイリス (電撃文庫)
松山 剛 ヒラサト

アスキーメディアワークス 2011-05-10
売り上げランキング : 809

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 主を失ったロボットは生きることができない。



あらすじ
それは──ある雨の日の記録。
降り続ける雨の下での、出会いと別れの記憶。


 ここにロボットの残骸がある。『彼女』の名は、アイリス。正式登録名称:アイリス・レイン・アンヴレラ。ロボット研究者・アンヴレラ博士の元にいた家政婦ロボットであった。主人から家族同然に愛され、不自由なく暮らしていたはずの彼女が、何故このような姿になってしまったのか。これは彼女の精神回路(マインド・サーキット)から取り出したデータを再構築した情報──彼女が見、聴き、感じたことの……そして願っていたことの、全てである。
 第17回電撃小説大賞4次選考作。心に響く機械仕掛けの物語を、あなたに。
 破壊と再生

 アイリス・レイン・アンヴレラは主人で自分を作ってくれたウェンディ博士の家に住まう家政婦ロボット。
 ウェンディは妹のようにアイリスを可愛がり、アイリスもその愛を受けて育った。
 誰でもわかるように、それはロボットとしては恵まれすぎていた。

 しかし、そのウェンディが事故に合って亡くなってしまい、アイリスは主のいないロボットの当然の結末として、分解されてジャンクにされてしまう。

 ロボットながらに『死』を覚悟したアイリスが目覚めたのは――。

 ここまでがあらすじのちょっと詳しくした感じ。


 ロボットが主人公の作品と言えば、自分は映画『A.I.』を真っ先に思い浮かべる。むしろそれ以外を知らない。
 『A.I.』は個人的には2度と見たくない映画ナンバー1になるほどにトラウマ化してしまったわけだが(当時小学生なのに地球文明滅亡ENDとかキツい)、こちら『雨の日のアイリス』は、ライトノベルらしい終わり方をしてくれるし、舞台感もSFというよりは、ファンタジーに近く感じられる。自分としては安心

 この作品の見どころは、やはり絶望への叩き落され方だろう。自分もそこそこにトラウマを刺激された。
 当然のように不自由ない暮らしをしていたアイリス。それだけ聞くと、いいとこのお嬢ちゃんみたいな印象だが、もちろん性分は家政婦なので、そこはしっかり働いていた。
 とは言え、アイリス自身幸せに暮らしていたのは自覚しており、それがウェンディによって与えられているものであることも理解していた。
 その生活をとても幸せに描写していて、それこそ序盤のうちは「アイリスちゃんかわいいよアイリスちゃん」と言う余裕もあったのだが、突然のウェンディの死という突き落とし方は、現実の惨さを突き付けられた。
 これには本当に感服した。

 物語の序盤で、アイリスは暴走してしまったロボットが警察に鎮圧されるという報道を知る。
 そこでアイリスは「どうしてこんなことになってしまったのだろう」と自分とそのロボットの境遇の差を悩む。ここで、その二者の比較をして、アイリスが恵まれている点を読者に改めて知らしめることになる。
 またこのロボットも伏線の一つで、あまり多くは言えないが、最後には「なるほど」と唸らせるものを用意していた。
 作者がテーマとして掲げている『破壊と再生』がピッタリと思った。

 ロボットの視点だからこそわかる、道具を前にした人間の残酷さ。
 『このライトノベルがすごい!』ランキング10位の実力。皆さんの目に触れていただければ、それがわかると思います。


 個人的評価:S




スポンサーサイト
ラノベ書評 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。